妊活・妊娠中のママ薬剤師が分包してはいけない薬

妊活中や妊娠中、授乳中だったとき、分包のある処方せんが回ってきても、断ることができず、できるだけ気にしないように時にはマスクを二重にしたり、手袋をしたりして分包していたというママ薬剤師も多いのではないでしょうか?

知識があるだけに、「子どもに影響か出るのではないか」と不安を抱えながら、仕事をしていたママ薬剤師も多いかもしれません。

マスクをしていても明らかに吸い込んでいるような気のする散剤や触っただけで害のありそうなホルモン系のお薬、免疫抑制薬や抗がん剤など、分包してもいいのかといつもドキドキしていた人もいたかもしれません。

ここでは、これから妊娠や出産を迎える新米ママ薬剤師向けに、実際、どの薬がだめなのか、知っているだけでストレスが軽減される

「妊活・妊娠中のママ薬剤師が分包してはいけない薬」

についてまとめています。

触ってはいけない薬

デュタステリド(アボルブ)(ザガーロ)

テストステロンをジヒドロテストステロンへ 変換する 1 型及び 2 型5α還元酵素を阻害して、前立腺肥大を抑え、薄毛を改善します。

以前、転職されたあるママ薬剤師は、妊娠中にアボルブを分包していた際、分包紙の幅の設定を間違え、9センチとしなくてはいけないところを6センチに設定してしまい、アボルブが分包機に挟まって内容物がでてしまったことがあったそうです・・・

アボルブは全長:約19.3mm 厚さ:約6.6mmのカプセルで内容物が出やすい構造になっているため、こうした外的要因で内容物が人体に触れやすい危険性があります。ザカーロも同様です。効能が追加のため名称変更で発売された薬です。

添付文書にも「本剤は経皮吸収されることから、女性や小児はカプセルから漏れ た薬剤に触れないこと。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石 鹸と水で洗うこと」と書かれています。

その根拠となる実験として「ラット及びウサギにデュタステリドを経口投与した結果、雄胎児の外生殖器 の雌性化がみられ、本剤の曝露により血中ジヒドロテストステロンが低下し、男子胎児の外生殖器の発達を阻害する可能性が示唆された。」があります。

また乳汁中に移行するかは不明ですが、授乳中の方も触らないのがよいでしょう。

フィナステリド(プロペシア)

フィナステリドは、5α-還元酵素Ⅱ型を選択的に抑制することによりテス トステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害し、発毛を促す薬です。

添付文書には「本剤が粉砕・破損した場合、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人は取扱わないこと。」と書かれています。十分注意してください。

バルガンシクロビル(バリキサ)

サイトメガロウイルスの治療薬です。

倦怠感や発熱、のどの痛み、首のリンパ節のはれ、湿疹が出る、肝臓や脾臓の拡大、肝機能異常などの症状を引き起こす感染症で、先天的に胎内で感染する場合と性行為によって感染する場合があります。

めったに分割したり、分包したりすることはない薬ですが、

「催奇形性及び発がん性のおそれがあるので、 錠剤を割らないこと。また、粉砕しないこと。やむを 得ず割った場合及び粉砕した場合は、皮膚や粘膜に直 接触れないこと。もし、触れた場合は石鹸と水で十分 に洗浄し、眼に入った場合も水で十分に洗浄すること。」

と添付文書に記載されています。

抗がん剤(TS-1など)

基本的には取り扱いに注意が必要なため、分包する機会のないものですが、もしも事故などでPTPが破損した場合は絶対に素手で触らないようにしてください。

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吸い込んではいけない薬

ロイケリン散(メルカプトプリン)

急性白血病、慢性骨髄性白血病に使われる薬で小児にも使われ、量の調整ができるため薬局に院外処方箋として出されることもあります。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいとされています。

その理由として、動物実験(ラット、マウス、ウ サギ、ニワトリ)で胎児の発育不全、吸収胎児数の増加、奇形等が認められているからです。また、授 乳中の投与に関する安全性は確立していないため授乳中の方も分包しない方がよいでしょう。

こちらも以前転職されたママ薬剤師の話では、ちょうどこの処方箋を受けた際、妊婦の薬剤師しかいないということがあったそうです。

結局は分包したそうですが、その後、簡易の安全キャビネットを設置するように会社に掛け合うことになったそうです。

兵庫県立こども病院 薬剤部の「散薬抗がん剤による環境汚染対策―飛散防止と散薬分包機清掃法の検討」では、安全キャビネットで測定したのち、蓋つきの容器にいれてから分包機に投入した後、周囲をしっかりと清掃し、内部は乳糖で4回清掃するのがよいと書かれています。

ブスルファン散(マブリン散)

慢性骨髄性白血病、真性多血症に使われる薬で、ラットの器官形成期に経口投与 したとき、骨格異常が認められているため、吸い込まないようにしてください。

まとめ

基本的に正当な理由なしに調剤拒否をすることはできません。

薬局内に妊婦しかおらず、吸い込んではいけない薬を調剤しなくてはならない場合、まだ患者さんに残薬がある場合には処方箋をお預かりし、男性薬剤師が出勤してきてから調剤してもらい、患者宅に届ければよかったと今では思います。

常時そのような処方箋が来る薬局では安全キャビネットの設置をしてもらいましょう。

安全キャビネットがあっても分包する際に飛び散ることもあるので、調剤、清掃はほかの方に任せましょう。私が勤めていた薬局ではみなさん元気な赤ちゃんを出産したので、今不安な生活をされている人は安心してください。

でも、手袋やマスク、安全キャビネットは必須です。この際上司に掛け合ってみるもの一つの方法です。

もし取りあってもらえないようであれば、それこそ、その職場で働き続けることが良いのか考えてみるのもいいかもしれません。

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