未経験50代60代からの再出発!メーカーから薬局薬剤師への転職

比較的少数派とも思われるメーカーで勤務する薬剤師の再就職先として、調剤薬局が注目されています。その理由、転職する前に気を付けたいことなどをまとめました。

薬剤師のほとんどは医療機関に就職している

大学や大学院を卒業後、企業にMRや研究員として就職する人は28万人の薬剤師のうち4万5千人で16%です。

薬局やドラッグストア、病院などの医療機関に就職している薬剤師は約20万人で73%を占めます。そのほか、大学や行政機関に勤めている人で構成されています。(平成24年厚生労働省調査)

定年退職後の再就職先に調剤薬局が選ばれる理由

平成26年の厚生労働省の調査によると、50歳以上の薬剤師免許の保有者は約10万人で全体の37%を占めます。

そのうち、メーカーに勤めている方は約1万6人で約15%です。

この比率はほかの年代ともほぼ同等です。

病院やメーカーでは早いところでは55歳、遅くとも65歳までには定年退職となり、老後の生活を考えた時に、使っていない薬剤師免許を使って働こうとすると、定年が特に定めのないことが多い調剤薬局が選ばれています。
また、調剤薬局の側としても、薬剤師不足を解消するために、定年退職後の薬剤師を雇用しています。

1年でも早く再就職する方がいい

年齢とともに求人の数は減る

ファルマスタッフで検索してみると、登録求人数82,697件(2017年9月現在)のうち、

65歳以上の求人数は全体でたった3件、60歳以上は110件でした。

調剤薬局 ドラッグストア 病院
65歳以上
60歳以上 91 13

この求人数からも、もし先々を考え、転職するのであれば、1年、いや1日も早い方が良いというのもお分かりいただけるでしょう。もしメーカーを退職した後の再就職を考えるのであれば、早めに転職サイトやエージェントに相談しておくべきです。

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体力の衰えが出てくる

まだまだ自分では大丈夫。

体力には自信がありますという方でも、意外と盲点なのが、薬局薬剤師は投薬の際に膝をついたり、かがんだりして、待合室のソファで投薬することが多いということで、毎日膝を酷使することです。

また、調剤は立ったまま行うことが常ですし、カルテを書く時も立ったままという薬局もあります。デスクワークで長年特に仕事で体を使うことがなかった方には想像以上の負担になります。

転職は出来るが給料は減る可能性が高い

パートであれば、だいたい時給1800円が相場です。1か月120時間ほどの勤務でも年収は260万程度です。正社員の採用でも、350万円から500万円が相場です。

人によっては半分以下になることもあります。

収入を減らさないために・・・派遣薬剤師という働き方

現在のところ、まだ薬剤師のニーズは高いため、求人も正社員から派遣まであらゆる働き方が可能です。

その中で検討しておきたいのが、「派遣薬剤師」としての働き方です。

「派遣」と聞くと抵抗を持つ人もいるかもしれませんが、「派遣」だからこそ、定時での勤務や高額な時給が可能です。
例えば、ファルマスタッフであれば、時給4000円以上、フルタイム勤務であれば、月収70万円以上、年収840万円以上も可能です。

年齢が高くなると求人が減る、さらに転職すれば給料が下がると困ったことばかりですが、薬剤師の今の転職環境であれば、働き方や雇用形態にこだわらなければ、多少年収が下がっても、長く働くことでトータルでの年収で上回ることは十分に可能です。

今転職してから、薬剤師を辞めるまでの期間の収入と、定年までメーカーで働いた場合に受け取る収入とどちらが良いのか、また現在の生活や定年後の年金などを照らし合わせ、損益分岐点がどこにあるか、どのタイミングであれば転職にベストかを考えて再就職する時期を見極めることも大切です。

メーカー出身者は採用されやすい

長年のメーカー勤務での薬の知識

メーカーに勤めていた方の強みは、調剤は未経験でも薬の知識が高いということです。

「自分の会社の薬はわかるけど、他の薬はあまりわかりません」という方でも、全くの知識のない方よりも吸収が早く、採用することが多いです。

社会経験が豊富であり、コミュニケーション能力が高い

定年まで勤めてきたということで、社会経験が豊富であるということが買われています。

調剤薬局では科目にかかわらずとても変わった方が来られることがあります。

カウンターで「早く出せ!」と怒鳴る方や、セクハラまがいのことをしてくる方、不潔な方などもいます。

こういった方が来られた時に若く人生経験の浅い薬剤師よりも対応がうまく、とても頼りになります。

50代は周りに馴染めず辞める人の特徴は?

50代以降で早期退職もしくは定年退職された方で、周りになじめずに辞めてしまう方が多いのも事実です。そこで馴染めずに辞めてしまう人の特徴をあげておきます。

転職するのであれば、次の職場ではこのような点に注意しておきましょう。

自分がどの年齢層・割合にいるのか理解しておく

調剤薬局の年代の構成比率は以下のようになっています。

20代 19233 12%
30代 40417 25%
40代 39726 25%
50代 34023 21%
60代 20502 13%
70代以降 7297 5%

(平成26年度 厚生労働省)

最も多いのが、30代40代で、調剤薬局での中心はこの年代です。なかなか若い方となじめずに辞めてしまうことも多いのです。無理に溶け込む必要はありませんが、若い世代との調和を図っていくためには、自分の年代が少数派であることを理解しておくことも必要です。

投薬に行きたがらない

基本的に調剤を行った人とは別の人が監査を行い、その後同じ人が投薬するのが調剤薬局での基本的なルールです。

薬局によっては、監査役、投薬役、調剤役、カルテ書きなど役割を決め、その日は監査だけをする日、投薬をする日などと決めている場合もあるようですが、少人数で運営している調剤薬局では基本的には調剤する人、監査・投薬する人と2パターンに分かれています。

また、投薬したのちには、カルテを書く必要があります。このパターンは交互に行われ、先に調剤した人は後で監査・投薬するというように、同じ人が同じ仕事をしないようにしています。

これは、頭の切り替えを行い、ミスを少なくする目的もありますし、カルテがたまらないようにする目的もあります。

前述のように、投薬は患者のおひざ元に行って行うことも多く、体力を使いますし、話が長くなる場合は、中腰のまま1時間ということもあります。

また、カルテ書きがたまると、残業しなくてはならないこともあります。

さらに、なにかミスが起こった際にも、調剤者に比べ、監査・投薬者の方が責任が重くなる傾向になるため、投薬に行きたがらない人が多いのです。

このように投薬に行きたがらないとなると、周りの見方も厳しくなっていきます。年齢のせいや、年上であることを利用して投薬に行かないのではなく、周りと協力しながら投薬にもいくようにしましょう。

そうすることで、若手から「私が行きますよ」と声をかけられ、徐々に若手に任せてもいい雰囲気が生まれていきます。

口答えする。プライドが高い

メーカーにおいては部下が何人もいて、重役についていた方でも、調剤薬局に再就職すれば、上司は自分の娘のような若い人であることもあります。

調剤薬局では新人ですので、上司の指示に従わなくてはなりませんが、なかなか上司の指示に黙って従えないこともあります。

自分の経験上、もっとよい案がある場合でも、言い方によっては、口答えと捉えられ、扱いにくい部下とみなされてしまいます。

若い人から学びたいという姿勢で、さらに困ったことがあればお手伝いしますという姿勢であれば、十分にやっていけます。

まとめ

メーカーからの50代60代以降の定年後の再就職先には調剤薬局が選ばれ、コミュニケーション能力が高く、清潔でプライドが高くなく、学ぶ姿勢のある方は重宝されています。

定年まで待たずに早期退職により経験を積む方がいいこともあります。

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